熱燻とは
熱燻は、食材表面が焼けるほどの高温で燻す短時間勝負の燻煙法です。
高温で行うためタンパク質が熱によって凝固してしまい、膜となって食材を覆ってしまうため乾燥後にも残っている水分を逃がせないからです。
熱燻の場合、すぐに食べる場合以外は、低い温度でしばらく燻煙をして、食材の水分をある程度抜いてから徐々に温度を上げることで見た目の仕上がりや保存性が高まります。
温度の調整は、スモーカーの換気口を開いたり、電熱器を弱に設定したり、チップの量などを工夫することで調整可能です。
基本的には、熱燻する食材はすぐに食べるのが一番美味しいものばかりです。
ポイント
食べてみて煙臭い味の時は、その臭いを消すために30分ほど風にさらすと和らぎます。
温度 | 80~120℃ |
---|---|
燻煙時間 | 5~30分 |
季節 | 春夏秋冬 |
特徴 |
仕上がりの色が良い
短時間 高温で燻煙するため燻し焼きとも表現できる 完成後すぐに食べても美味しい(食材による)※1 保存には不向き 水分を多く含んだ仕上がり 表面が硬くなることにより、内部の空気が抜けず、空気が膨張して食材が破裂したり割れることがある(タマゴの爆発音はかなりビックリします。) 表面の食感はやや固め※2 表面のタンパク質が凝固するため身割れし、フックにぶら下げた食材が落下しやすい※3 |
解説・注意事項 |
※1 熟成させると美味しくなる食材があります。詳しくは熟成を参照
※2タンパク質は、60~70℃で熱すると熱変性が始まり、それまでの構造が崩れて(アミノ酸同士を繋ぐ水素結合が切断される)凝固し、食材全体を凝固した膜で覆うため硬い感触になります。分かりやすい身近な食材で例えると、“ゆで卵”です。卵に熱を加えると固まりますよね?それが熱変性です。 ※3燻煙前にオリーブオイルなどを塗っておくことで、ある程度の身割れは防ぐことができます。 |
photo credit: Pedro Moura Pinheiro via photopin cc