冷燻とは
冷燻は温度管理をしっかり行わないと失敗することが多い燻製ですが、出来上がりはとても美味しいです。
代表的な燻製に『スモークサーモン』や『生ハム』があります。
私はまだこの二つの燻製を嫌う人に出会ったことがありません。
それほど美味しいですよね。
食材は乾燥に時間をかけ、水分活性がかなり低くなっており、微生物が生きられない状態のモノが多いですが、微生物の動きが活発になる温度帯が一般的には30℃前後と言われていますので、余裕を持って25℃以下を保つようにすることが重要です。
但し、15度以下になってしまうと煙の乗りがイマイチになってしまうので、15~25度以内で行いましょう。
冷燻はコントロールがしにくい燻煙方法で、その上長時間燻煙します。ちょっとしたキッカケで25℃を越え、30℃前後まで上昇させてしまうと、微生物の増殖というリスクが生じます。
しかし、ここで注意しなければならないのは、低温でも生きられる、または逆に高温でも生きられる微生物が存在するということです。
そのため30℃前後だけが危険とは一概には言えないということです。
重要なのは、塩漬けで充分に水分活性を低下させ、微生物が増殖できない状況を事前に作っておくことなのです。
冷燻は燻製の中でも一番時間のかかる燻製です。
生ハムなど、何日にもわたり燻煙したものが、実は腐敗していて食べられない、なんていうのは洒落にもなりませんので充分気をつけて作業に取り掛かりましょう。
『生ハムは一日にして成らず』
温度 | 15~25℃ |
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燻煙時間 | 3時間~数週間 |
季節 | 秋~冬 |
特徴 | 長時間※1 完成後すぐに食べても美味しい(食材による)※2 長期間の保存が可能 柔らかな食感 |
解説・注意事項 | ※1生ハムは長期間の熟成や燻煙が必要なため、何日かに分けて行います ※2熟成させると美味しくなる食材があります。詳しくは熟成を参照 |