温燻とは
温燻は燻煙の中では中温(50~80℃)で少し時間をかけて行う方法ですので、食材内部の水分も抜け、乾燥が進みやすいです。また、タンパク質は熱を加えることで凝固し、食材全体を凝固した集合体で膜を形成します。この集合体と燻煙によって食材表面に膜を形成し、微生物の侵入を防ぐことが可能となります。そのため温燻は冷燻の次に保存性が高いと言えます。一般的に、有害な微生物の殺菌温度は55℃以上と言われています。
ポイント
食べてみて煙臭い味の時は、その臭いを消すために30分ほど風にさらすと和らぎます。
温度 | 50~80℃ |
---|---|
燻煙時間 | 30分~6時間 |
季節 | 春夏秋冬 |
特徴 |
短時間 完成後すぐに食べても美味しい(食材による)※1 保存は冷蔵庫内で1週間くらいが目安 水分を含んだ仕上がり 表面の食感はやや固め※2 |
解説・注意事項 |
※1 熟成させると美味しくなる食材があります。詳しくは熟成を参照
※2タンパク質は、60~70℃で熱すると熱変性が始まり、それまでの構造が崩れて(アミノ酸同士を繋ぐ水素結合が切断される)凝固し、食材全体を凝固した膜で覆うため硬い感触になります。分かりやすい身近な食材で例えると、“ゆで卵”です。卵に熱を加えると固まりますよね?それが熱変性です。 |