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東京で酒蔵見学:田村酒造

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酒蔵見学:田村酒造(2)

さて、精米作業が終わったら、熱(精米中の摩擦熱)を取り、洗米し、水に漬け、蒸す。
その後急冷し、酵母を混ぜます。

混ぜる部屋は決まっていて、蔵の奥にある部屋で行うそう。

日本酒の仕込み

この部屋は、入室できる人、温度、湿度など諸々を含めて厳重に管理されているそうです。
それだけ神聖な場所ということですね。
ちなみに、今日案内してくれた酒蔵の方は、十七年勤めているけど一度も入ったことがないそうです。
神聖過ぎます。

温度や湿度などを管理する機材
さて、日本酒造りが開始される時期、TVのニュースなどで上半身裸の男衆がせっせと白いものを混ぜて酒造りをしている姿を観たことはありませんか?
この作業(これだけじゃないか)をやるのが、杜氏(“とじ”、または、“とうじ”と読みます)と呼ばれる酒造りの責任者を中心とした男衆なのです。

杜氏とは

酒造りの最高責任者のことを言います。
昔は、杜氏は季節労働者で、酒造りの時期に酒蔵へ来て仕事をし、シーズンが終わると故郷へ戻り、家業の農業をやっている方が多かったそう。
現在は日本酒の国内需要も減り、杜氏の人数も大分減ってしまい、酒蔵の方が兼務するところもあるそうです。
海外需要は上がっているみたいだけど。

ふーん。
それは分かったけど、

そもそも何で上半身裸なの??
何で男しかいないの??

という疑問が湧いてくる。

『裸で仕事』でついつい連想してしまうのが、
映画のワンシーンでたまに観る

『麻薬カルテルで袋詰め作業をする人々』ですよね。
この場合に考えられるのは、
持ち帰り防止とワケ有り者や誘拐してきて人を働かせているので逃走防止だろうと想像する。
しかし、杜氏の場合はそういう理由ではないんです。

なぜ上半身裸なの?

上半身裸なのは、
『菌を持ち込まない』という単純な理由なんだそうです。
知らなかった。

なぜ男しかいないの?

これには諸説あるらしいが、有力だと言われている(らしい)二つの説を聞いたのでご紹介します。
・女性の化粧が混ざると味が落ちる。
・男ばかりのところに女性がいると気になって集中できない。

というのが有力らしいです。
個人的には両方あるような気がしますが。

さて、日本酒の仕込みも終わり、いよいよ発酵させる所へ移動してきました。
発酵は何段階かに分けてられているそうで、小さなタンクから大きなタンクまで並んでました。

酒蔵のタンク

蔵の中の見学は終わり、続いて使用する水について説明を受けます。

仕込み水

仕込み水とは、日本酒造りに欠かせないお水のことです。
蔵を建てた際、敷地内に数か所も井戸を掘ったそうだが、日本酒に適した水質が得られた井戸は最後に掘った一か所のみだったそうです。
その井戸に『嘉泉』という名をつけ、それは商品名にも使われています。
『よろこびのいずみ』と書いて『かせん』と読みます。

仕込み水

当時の方々がどれだけ嬉しかったか想像できますね。

現在使われている仕込み水は、
玉川上水から水を引き(田村分水)仕込み水に使用しています。
水質は中硬水とのこと。

田村分水

蔵の方によると、
軟水は発酵しにくいが、きめ細やかな酒ができ中硬水とはまた違う仕上がりになるそうです。
見学の最後に試飲でるので是非試してみてほしい。

他にも、大正10年まで使用していた水車小屋の話や、敷地にある大きな欅の木や建物についての細かな説明がありましたのでご興味のある方は是非足を運んでもらいたい。
敷地内に七つの文化財があるってだけでも凄いですよね。

田村酒造の文化財

最後には待望の試飲もありますのでオススメです。
本日は新酒とにごり酒を試飲しました。

日本酒っていいですね。

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